VA Linuxは世界に一つで十分だ


USの
VA Software社がSourceForge社に社名変更
した。取り立てて大したこととは思ってなかった
ので、これについて喋る機会があったことすら驚きだったのだが、今日お会いした
ITmediaの藤村会長からもそれに触れる話が出たので、経緯をちょいと書いてみる。


古き日のUSに存在していたVA Linux Systems社が、Linuxハードウェアビジネスというか
オープンソースソフトウェアのビジネスからも撤退したのが2001年。その時に残った
事業は、Slashdot.org、Linux.com、ThinkGeek、SourceForge.netといったサイトを有する
メディア事業とSourceForge.netのようなことをエンタープライズ向けに提供するために
スクラッチから書き出したSourceForge Enterprise Editionというクローズドな
ソフトウェア事業の二つである。メディア事業の方は子会社であり、その名前が
Open Source Development Network社であり、数年前からOpen Source Technology Group社
と名乗っていた企業である。


ということで、2001年からはLinuxでもないオープンソースでもない企業(OSDNは子会社である)
ということで、実態に合わせるためにVA Software社に社名変更していた。


で、日本においてであるが、住友商事、NTTコムウェアらと合弁で
VA Linux Systems Japan株式会社が、2001年のVA Linux Systems社のLinuxビジネス撤退直前の
絶妙なタイミングで設立されてしまった。設立当時から日本の独自の事業を展開するという
意向が働いてはいたが、当然のようにVA Linux Systems社の日本法人的な役割を持たせる
ということがあったわけで、設立したらいきなりその事業がUSから消えてしまったわけである。


しょうがないので、VA Linux Systems Japan社としては完全に独自な事業を開始せねばならない
立場になり、住友商事側もLinux/OSSビジネスはこれからやってくるのだからということで、
VA Linux Systems社側が持っていたVA Linux Systems Japan社の株式を引き取り、住友商事の
子会社となった。事業としては、Linuxカーネルを含め、その他OSの知識、技術を活かしたビジネス
を開始することになり、その後うまく人材も集めることができたおかげで、
今も屋台骨となっているVA Questを中心としたLinuxカーネルビジネスに発展することになった。


このような経緯から、VA Linux Systems Japan社はほとんどの時間を日本企業として存在し、
さらに独自のLinuxカーネルを中心として低レイヤーのオープンソースビジネスを作りだして
きたということになる。
これに対して、VA Software社はクローズドでWebベースのソフトウェアビジネスを展開し、
さらに資本のつながりも希薄であったので、この数年間は
世界には同じロゴを持つ二つのVAが奇妙な関係で存在していた。


そこでやっと現在の話にまでくるが、先月になってVA Software社はそのソフトウェア事業を
CollabNet社に売却した。Open Source Technology Groupが展開するメディア事業の
方が、収益性、成長性共に断然によい状態が続いていたので、これは妥当な判断だと思っている。
ここで社名変更へとつながるのだが、当然VA Software社という名前がその時点で完全に
実態に合わない名前となってしまったわけで、メディア事業のブランドの中から一番の
有力なブランドであるSourceForgeという名前を選び、それを社名としたわけである。


当然、日本のVA Linux Systems Japanは経緯的なことを考えても
特段の関係があるわけではないし、Linuxカーネルを中心としているビジネスでうまくまわっている
今の現状を考えると、VA Linuxという名前を捨てる理由はない。古き日の一瞬だけUSで
輝いていた旧VA Linux Systems社の遺伝子を継いでいるとしたら、この日本の
VA Linux Systems Japan社だけである。それを考えれば、VA Softwareというロゴを共有しつつも
全く違う会社が存在する状況がなくなったのは、余計な勘違いの元を断ち切ったことになるので
VA Linux Systems Japan社にとっては良いことだろう。VA Linuxは世界に一つで十分である。


(と、ここまでVA Linux Systems Japan社のマーケティング的人間の立場で書いたが、現在の私は
マーケティング部長を4月に退任し、今はそのUSのSourceForge社が運営するメデァアの
日本版となるSlashdot Japan, SourceForge.jp, Open Tech Pressを運営する事業のトップだけに
専念している。なので、USのSourceForge社(旧OSTG社)とは、それなりに密接な関係であることは
付け加えておく。)

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今日の5年遅れている記事



ストールマンは正しかった
(@it)


だそうだ。サイオステクノロジーの広告記事のようなものだが(それとも今までのサイオス社の取り組みが遅れていたという主張を込めての皮肉のつもり?)、それよりも何もここで書かれていることは5年遅れどころでは済まないぐらい遅れているとしか言いようがない。


ITproのオープンソースセクションでもこんなに時間軸が曲がった記事はないだろうに。

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VA Linuxのマーケティング部長を退任

一昨日には社内でも告示されましたが、4/1付でVA Linux社のマーケティング部 部長を退任いたしました。VA Linuxの設立からこれまでの長い期間、この職を務めてきましたのでそれなりの感慨もありますが、いずれこれまでの苦闘を振り返るとしてとりあえずご報告まで。

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SourceForge.JP、Subversionを正式サポート



SourceForge.JP、Subversionを正式サポート


ということで、今までは試験サポートということで存在に気付いた人しか
使えなかったSubversionが普通に使えるようになった。
それだけと言えば、それだけというリリース。

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OSDN:新人一人の入社と今後の計画

既に一週間経つのであるが、とうとうOSDNに新人が入社した。新人とは言っても私より年齢は上だと
思うが。IDGのLinuxWorld誌が休刊になって久しいが、その新人の森さんというのはLinuxWorldの副編集長を
務めていた方である。OTPをはじめとしてOSDNの細々とした編集まわりは私が無理やり時間を作って対応していた
のだが、編集の本職がjoinしたことで今までよりは傍目にもマシな方向にいくのではないかと思う。
おかげで私のほうの負荷が下がる見込みがついてきて喜ばしい限りである。


ついでに宣言しておくと、当たり前だが今後OSDNでは各サイトの改良の予定があるわけだが、特にSourceForge.JPにはそれなりに
大きな改良を加えていきたいと思っている。そろそろSourceForge.JPは開始してから5年が経過するわけだが、
幾つかの機能追加、改良はあったものの、基本的には大きな変化はこれまでない。まあ、OSS開発に必要な
ツールを提供するということであれば、これ以上やることがあまりないというのも事実なのではあるが、
それでも他にあったほうがいいと思うものもあるし、もっと改良できる部分はあるだろう。ということで、
sugi氏が今はいろいろと試行錯誤しており、夏までには出せるものがでてくるのではないかと思っている。


話は微妙に変わるが、さきほどsf.netのほうを見ていたら、どうやら彼らはコンパイルファームのサービスを
休止したようだ。Solaris, AIX, HP-UXあたりの環境を触れるいい仕組みだったのだが、まあ冷静に考えると
維持する膨大な手間ほどには大した需要はないかもしれない。SourceForge.JPではx86とAMD64 Linux、MacOS X、NetBSDで
細々とコンパイルファームを提供しているのだが、じゃあ今度は我々のほうが旧sf.net程度に環境を揃えるかなぁと
一瞬思ったが、あまりにも大変そうなので軽々しくは進められない。まあ、豪気なスポンサーがいれば別なのだが。

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摩訶不思議なターボリナックスのMSCB

先週、唐突に発表された
ターボリナックスのMSCB発行。発表された時も頭をひねったが、今でも実によく分からないことばかりである。


ライブドアショック以来、ニッポン放送買収騒動時に発行したMSCBについてはいろいろ言われてきたわけだが、それを踏まえてか、日本証券業協会からそのターボのMSCB発行のIR発表と同日にMSCBに関する証券会社の自主ルールを策定するということがあった。MSCBに関しては転換価額の修正を狙った
空売りで既存株主を食い物にする傾向が目立っていたわけで、業界自主ルールをそれを押さえる役割を果たすものと思われる。で、今回のMSCBの流れ的には、この自主ルールの規制が開始される前の駆け込みのような形となっている。しかも、割当予定先は日興シティグループ証券。


ということで時期的にも実に微妙なタイミングでMSCBを発表したものだが、資金調達方法としてMSCBという方法が全くダメというわけではない。ということで、内容を見ていくと、社債総額は10億円、1口5000万円ということで20口の新株予約権になる。MSCBなので当然利子はないので、転換するのが前提。
当初の転換価額は、3月1日の株価終値に1.05を掛けたものとされているが、144,500円という下限があり、今のところMSCB発表を受けて既に
13万円台にまで下落しているので、144,500円に設定される可能性が高い。


で、お行儀が悪いMSCBの一般的な条件は転換価額修正の頻度が高く、下限が低く設定され、転換価額の算定に用いる期間が短いというものであるが、第一回目の修正は3月30日に行われ、それ以降は毎月第三金曜日となる。
つまり一ヶ月に一度の修正である。算定期間については、その修正日の直前5連続取引日となり、この5日間の終値の平均値の92%の価格に転換価格が修正される。転換価額の下限については、当初設定価格の50%である。これだけの条件をみると、なかなかスリリングな3点の条件が揃っており、信用取引が可能なターボ株なら空売り爆弾を受けそうに感じてしまう。仮に今の価格をもとに
144,500円で当初の転換価格が設定されたとすれば、下限は72,250円となり、この条件下で転換されたとすれば、発行株式に対して15%ほどの比率になり、なかなか大きなインパクトとなる。
一応、pdfの最後にこのMSCBには譲渡制限がある旨と日興シティが借株をしないという旨が書かれているが、はてさて、今後どうなることだろう。


それにしてもよく分からないのが、何でわざわざこの微妙な時期にMSCBなのだろうか?wizpy事業のためとか書いてあるが、そもそもあれにそんなに多額の在庫、部材がかかるとは思えないし、手持ちのキャッシュで何とかなりそうな
ものである。キャッシュが必要にしても、単なる社債もあるし、今なら低金利で融資を受けても別に構わないだろう(というか普通は融資じゃないだろうか)。何故、株主から吸い上げるような手法を取るのか、いまいち理由がつかめない。


つい先日の2月8日にはターボの売却プロセス開始という、買い手がまだいないのに発表された謎のIRがあったが、発表のタイミング的にはこれとの関連性も気になってしまう。売却を考えるなら、やはりターボの高い株価はネックになるわけで、今の経営陣はわざわざ株価を下げたいのかなとか勘ぐるところもある。買収先からすれば、大きな損失を出している会社なのに純資産額と比べて異常に高い株価の企業を買うのはリスクがありすぎるが、手持ちのキャッシュと株価抑制ということで買い手を探したいのだろうかとか思ってしまうのである。まあ、それは勘ぐりすぎだろうか。あるいは、MBOのための布石?それならもっと大きくないといけない気がするのだが…。さすがに素人にはよく分からない。


(注意:ここに書いている内容は個人的な見解であって、しかも私は株式の世界では単なる素人さんです。)

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そろそろ推進とか普及とかはヤメにしたい



OSS普及には新しい価値観をもった人々がリーダーシップを–日本OSS推進フォーラム


一言で言えば、日本に未だに残る国産ハードベンダー様の論理。こういうのを喜んで記事にして出すのは、5年ずれた記事を量産しつつも最新の動向を伝えているという味付けを行うITproのLinux関係だけかと思ってたが、そうでもないようだ。しかしまあ、そろそろ日本OSS推進フォーラムとIPAの何とかは役目を終えたということで終息させたほうがいいのではないかと思うが、意地でも残すのだろうなぁ。長めに書こうかと思ったが、あまりに面倒なのでこれだけ。

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Hans Reiser、近況



Hans Reiserが離婚調停中の妻の殺害容疑で逮捕
されてから、三ヶ月経った。1月に予備審問があったと記憶していたので、そろそろ何か変化でもあるかなと思ってGoogle Newsを漁ってみたが、Hansに関してはまだ無実を訴え、保釈もされずに勾留されたまま。で、1月17日には彼の息子が
法廷で証言する予定だったらしいのだが、年末にロシアの親戚か何かを訪ねて、そのまま帰ってこないようだ。Hansも行方不明の奥さんもロシア人なので特に不自然ではないのだけども、奥さんが息子のロシア市民権を失踪2ヶ月前にわざわざ取得させたことから、Hans側の弁護士が「実は奥さんはロシアで生きていて今回の事件はHansを陥れるための罠」だとか、
「奥さんの実家筋はロシアのスパイ組織とつながってる」だとか主張していたりするらしい。何と言うか、真偽は知ったこっちゃないが、こーいう話が出ることはただ驚くばかり。
まあ、遺体が出てこない限りは殺人と決めつけるのは難しい気がするが、とりあえず2/23に予備審問の結果が出るようだ。さて、起訴されるのか。

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後藤正徳先生がGoogleへと旅立って以来、大きな案件の話題が続く富士通


富士通、スーパーカミオカンデの新実験解析システムをLinuxで構築というニュースについてだが、そんなにシステム的には大きなインパクトがあるわけではないものの、スーパーカミオカンデの知名度からするとそれなりの話題なのだろう。 まあ、それよりも年末にあった東証、新売買システム開発を富士通に委託 Linuxと「PRIMEQUEST」で構築については、ちょっとインパクトがでかい。ただ、「PRIMEQUEST3台を1セットにした10セット構成」でLinux採用って、んー、現場は大丈夫なんだろうか?社長直轄プロジェクトのようなので、ま、最悪でも何とか気合いというやつでしのぐのだろう。


で、富士通と言えばというわけでもないのだが、年末になって後藤先生がGoogleへ旅立っていたことを知った。私も持ってるGoogleバッグを何故に持ってるのだろうと思っていたが、そりゃ入社してれば持ってるね。(私はGoogle様からの頂き物。)



Googleと言えば最初にまず鵜飼文敏という名が出てくるようになっている昨今ではあるが、ここに後藤先生がjoinし、おそらく今年はまた知り合いがどんどん入っていくのだろう。既にオープンソース運動の初期に知り合った欧米のハッカーの連中は、一部の変人(ESRとかPerensとか)と自分で事業を起こしたような人間、あとはRHとIBMを除いて、そのほとんどがGoogleに入社してしまっている。後藤先生のGoogle入社は、日本でもその流れが決定的になりつつあるなと予感させる出来事である。

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Microsoft社のオープンソースエバンジェリスト雇用計画



Microsoft社が「オープンソースエバンジェリスト」を雇用?
(OTP)


表の記事にMicrosoftがオープンソースエバンジェリストのヘッドハントを
している旨の記事が出ているが、まあこれは2,3年前からあったかな。
時効だろうから(おそらくヘッドハント会社の担当者とかは変わってるだろうし)
言ってしまうと、私のとこにも去年だか一昨年だかにヘッドハンターが来ていた。
仕事内容はまあ記事にあるようなことで、年俸は現状より倍ぐらいかな。
ただ、おそらく私以外にもかなりの方々に声がかかっていたように思うのだが、
それに乗った人がいるという話は聞かない。

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