Interop Tokyo 2006:今年のShowNetは「Net 2.0」らしい

今回はInteropがInteropであるための根本とも言える「ShowNet」について伝えることにする。やっとInteropらしい話題に辿り着いたが、これだけかもしれない。

まず、ここで少々Interopの歴史について触れたい。今年で日本でのInteropは13回目となるようだが、初期のInteropはその名前の通りにネットワーク機器ベンダーが一同に会してinteroperability(相互接続性)を検証する場として始まった。それにカンファレンス、セミナー、企業展示がどんどん付加されていくことでイベントとして巨大化してきたのである。

このInteropで各ブース、セミナー会場を結び、インターネットへの接続環境を提供する役割を果たすのが「ShowNet」と呼ばれるネットワークであるが、このShowNetも元々はInteropNetという名称でUSで開催されたInteropで構築されたネットワークを日本にも持ち込むというスタイルだったように思う。それが日本側のエンジニアが主体になって独自のネットワークを作り出したことでShowNetへ名称が変わっていったのである。当時はInteropに来れば毎年生まれてくる最新の技術を搭載した機器とそれが実際に動いているということを実際に見ることができるということに非常に刺激を受けたものである。Gigabit EthernetやWDMの登場のあたりの年は今でもよく覚えている。

そこで今回のShowNetだが、幕張メッセとNTT大手町ビルを「OC768」(40Gbps)で結び、この他に10Gbps×4で合計80Gbpsまでの帯域を確保し、そこから国内ISPおよびIXにポイントに接続されている。ShowNetではIPv4/IPv6のデュアルスタックの構成となっており、レイヤー1からレイヤー3までのネットワークがそれぞれリング構成というトポロジーデザインとなっていた。


juniper

Juniper T640
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私は数年前まで毎年Interopに参加してきたのだが、久しぶりに幕張にやってきて今もなお各社の最新機器を持ち寄り、最新のネットワーク構成を見せる場として機能していることは感じた。ただ、今となっては末端までブロードバンドが普通になり、40Gは珍しくなく少々小型の機器にも10Gポートが普通に付いているという状況である。ShowNetのネットワークを確認し、Cisco, Juniper, NEC, Fujitsu, Alaxalaと各ブースもまわったが、(ネットワークからは既に距離を置いているのからかもしれないが)昔のようにコアインフラであまり感動はなかった。これは技術的に新しいキーワードが
特にないというのもあるかもしれないし、それだけインターネットのインフラ技術が成熟してきたからとも言えるかもしれない。

今年のShowNetに関しては、そのインフラよりもおそらくセキュリティ確保や放送との融合というところに力点があったように思えた。今年になって初めて出展者側となったからから知ったのかもしれないが、各出展者に対して危険なポートを遮断するフィルタリングサービス、ShowNet内を流れる不正なトラフィックを監視する攻撃監視•防御サービスが標準で提供され、サーバの脆弱性診断サービス、Windows UpdateができるクリーンLANサービス、ウィルスチェックサービスが会場で受けられるようになっていた。

クリーンLANに関してはいくつかのホールの他、ホール1に設置されていたShowNet Cafeでも行えたようだが、写真をとった後どこかで休憩していた時に後ろの席のエンジニア風の若者らの会話から知ったところによれば、そのShowNet Cafe内で閉鎖的なネットワークを構築し、Winnyによって山田オルタナティブを流通させることでどのように情報漏洩がされていくのかデモを行っていたとのことである。これは今の世情が反映されているということだろう。


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ShowNet TV撮影風景
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放送との融合という部分に関しては、ホール7のShowNet TVがその象徴だったと思う。ここではIPネットワークを念頭においた放送制作のワークフローを実際に会期中デモンストレーションを行うということのようだが、専用スタジオでHDTVの素材を撮り、すぐ脇にて編集し、その一つの映像がH.264HD、HD、HDV、Windows Media等にエンコードされ、マルチユースにインターネット上に送信される様はなかなか壮観であった。また、NTT武蔵野研究開発センターと幕張に10Gbpsのネットワークを通し、NTTのi-Vistoシステムによって、非圧縮HDTV over IPの多重伝送と配信のデモも行われていたが、通信にHDTVレベルの放送コンテンツを乗せて配信することが技術的に成熟段階に入ったことを強く感じさせられた。


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HDTVシアター
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本記事では今年のShowNetについて書いてみたが、今回のShowNetのキーワードは実は「Net 2.0」だったらしい。どうも未だに何のことなのか私にはさっぱり理解不能なキーワードのパクリっぽいキーワードであるが、私なりには、一通りのことは当たり前のように実現できる世界へとネットワークが進化してきたというこの時点で区切りをつけ、その上で全ての技術の統合とさらなるネットワークの可能性を探りにいこうというメッセージなのだと理解することにした。

Interop Tokyo 2006特集はこちら

佐渡 秀治 について

President & CEO, OSDN K.K.
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