ソフトウェアテクノロジーの企業が育ちにくい土壌

先週、某雑誌が取材で来社した。VA Questをメインに高橋、小田へのインタビューということで私はすぐ横で見ていたのだが、ちょくちょくインタビューに口を挟んでしまう展開。まあ、性分なのでしょうがない。おそらく私の発言はカットされると思うのでまあよいのだが。まあ、小田の発言がメインになるような気がするが、気がむいた人は今月下旬に発売されるその某雑誌を買ってみるといいだろう。

これは何となく記事にはならないと思うのだが、そのインタビューの場で、VAリナックスのようにソフトウェアのテクノロジーを売っていこうとするベンチャーが成長していくのはしんどいんだよねぇという話題にもなった。それを詳しく聞こうとする取材陣に対して、私はその際にたまたまその部屋の壁に張ってあったGoogle Japanから頂き物の東京近郊のIT企業マップ?を指さして、「その地図が日本の状況をよく表しているんじゃないかな」と答えた。このマップはシリコンバレー版が本家?なのだと思うが、サンフランシスコからサンノゼに至る一帯の地図の上にその場に存在するIT企業のロゴがペタペタと載っているものである。私は持っているわけではないが、見たことがある人は多いだろうと思う。

で、日本版の地図が何を表してるのかといえば、日本はいわゆるネットベンチャーが中心で、テクノロジーを指向するベンチャーは少ないということである。その場の雰囲気で適当に答えた発言なので二つの地図を比べて数を数えたわけではないが、ようするに日本でIT企業と言えばインターネット系のサービスを提供するネットベンチャーばかりが目立ち、ソフトウェアのテクノロジーを売ろうとするベンチャーは目立たないという話である。

その場では、テクノロジーを売るモデルであればR&D費用が相当かかるのにモノが完成するまでは売上がたたないということ、さらに何年もかけて苦労して開発したわりには利益率は大したものにならずに技術の陳腐化も早いといったことをグダグダ言っていた記憶がある。ということで、テクノロジーを指向するモデルへの投資にはかなり辛抱強さが必要だと思うが、そこに投資するような資金力が今の日本にはないよね、という話もした。

VAリナックスも一応ベンチャーなわけだが、創業当時から支えてくれた住友商事のおかげで資金の問題で悩むことはほとんどなかったし、オープンソースを基盤としたVAリナックスのビジネスモデル的にもそのような問題が緩和されるという効果があったので、今となっては他人事ではあるわけだが、テクノロジー市場全体のことを考えればこの資金力の問題はちょっと困ったものではある。

そんなことを漠然と先週のインタビューの場では考えてたのだが、ついさっきCnetにITベンチャー企業家たちが密かに集まるサミット仕掛け人の思惑という記事があるのをみつけて、あぁ随分と似てることを考えてるだなと驚いてしまった。まあ、こっちはモワ〜っと考えてただけだが、CNetの記事の方は本職のVCだけに整然と述べられている。

この記事ではテクノロジーベンチャー投資の成功事例が少ないことの理由で私と同じようにR&Dにかかる経費を支える資金力の問題についても触れているが、もう一つEXITの問題も挙げている。ネットベンチャーであればIPOと買収というEXITがあるが、テクノロジー系にはIPOしかないということである。確かにネットベンチャーでは買収という行為はする方にもされる方にもメリットはあるように見え、それが起業という行動に良い影響を与えているように思うが、片やテクノロジー系のベンチャーをどんどん買収していくような企業は国内には見当たらない。まあ、そもそもテクノロジーを基盤としている会社の買収はリスクが大きいわけだが、この記事を見て日本の大会社はもっと企業買収という戦略を考えてもいいんじゃないかと思ってしまった。ただ、そもそも買収に見合うようなテクノロジー企業がほとんどないということなのかもしれないが。

佐渡 秀治 について

President & CEO, OSDN K.K.
カテゴリー: 未分類 パーマリンク